Entries

T・ジャクソン・Jr『クー・クラックス・クラン 革命とロマンス』

● 深町先生のこのエントリで「あ、なんかやばそう」と思っていたら図書館で発見。確かに"魔書"の名に恥じぬ、頭がクラクラするような怪文書でした。まあ概要は深町先生がすべて語ってくれていますが。

 本書の黒人は人間扱いすらされておらず、行動は「ヒャッハー!」とさけんで暴行略奪を繰り返す、『北斗の拳』のモヒカンみたいな連中です。貧乏くさくて、におってボロボロの服を着ているとコケにされていますが、そりゃこの間まで奴隷だったんだから仕方ないだろ、と。そしてなぜかエセとーほぐ弁で喋るのですが、このいつものパターンに怒らない東北人はもっと評価されるべきではないかと思ったり。
 山形弁の外人といったら、今では白人のダニエル・カールだよ……どうでもいいんだけど。

 黒人がモヒカンならケンシロウがKKKなわけで。虐げる民を救うためにばばーんとあの格好であらわれ、それこそ『北斗』並の残虐性で"ほあたあ!"、"ひでぶっ!"と「邪魔する奴は指先ひとつでダウンさー」とブチ殺す。
 ええっと……。
 この単純明快な流れがうまく咀嚼できないんですよね。だってケンシロウが差別意識ばりばりで、今まで虐げられてきた無力な敵を、圧倒的力で惨殺してそれが「正義」。うーんうーん、どう解釈したらいいのだ。読んでいておもしろい、つまらないではなくほんとうに混乱するのです。
 白人美少女処女が黒人に輪姦され、断崖絶壁から投身自殺するシーンの妙なリキはいったかんじのきもちわるさ。当時の白人は「俺たちが守らないと白人女性があんなことやこんなことされて! け、け、けしからん!」と憤りながら興奮していたんだろうな……と思ったり(ほんとうに不謹慎な話だけど、黒人ものというAVジャンルがあるんだよな、これがまた)。
 ちなみにKKKの没落の一因って、幹部が白人女性教師を列車に連れ込み、体中を噛みちぎりながら強姦して(彼女は自殺しなくても、この咬傷のせいで長くは生きられなかったのではないかとも。リアル・バイターか)、そのあと彼女が苦しみぬいて亡くなった悲惨きわまりない事件のためだったりするのですが。このあたり、ほんとうに洒落にならんよな。
参考、さらにリンク先の英語版被害者のページを読むとおぞましさ倍増)

● そして頭のあまりよくない三文小説である本文以上に解説が衝撃的。笑い飛ばせぬほどのアメリカ史の深い闇にくらくらしました。これぞ"魔書"か!

クー・クラックス・クラン 革命とロマンスクー・クラックス・クラン 革命とロマンス
(2006/04)
トマス,ジュニア ディクソン

商品詳細を見る

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

FC2ブログをはじめよう

もう出なくてイイよ

最近の記事

Ads by Google