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新版Kizurizm: 映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』

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映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』

● 中島らものネタで「どの分野の料理人が一番強いか?」っつーのがありました。それを思い出したんですな。何故かというと、本作の主人公がゾのつくアレを、クィーンの曲にあわせてクリケットラケットで撲殺しまくるからです。クリケットラケットつえー! 日本だったら何で殴るのかな? 中国だったら中華料理鍋なんだけど。

 同じ英国産ゾ映画でも『28日後……』がゾをネタに人間性を描いたとしたら、本作はゾへの愛(ちょっとツンデレ)を惜しみなく出してみたかんじ。

「あなたにとってゾ映画ってなんですか?」
「ラブですね」


 こんなかんじです。

● 絵コンテでは結構男前のショーン、29歳。汗臭そうなデブニート君エドと、ちゃんとしたリーマンのピートとルームシェアして暮らしています。それにしても欧米じゃ、電気量販店員ってダメ職業なのでしょうか。『40歳の童貞男』でも主人公がそうだったんだけど、ショーンもそうです。
 ショーンはエドをデートに連れてくるわ、デートがいつもパブ(ああ、イギリスだなあ)だったりするので、恋人のリズからいい加減にしてよとフラれます。母親に贈るはずの花束を、カードつけたままで贈っちゃうあたりがもうダメダメ。こういうダメ人間のディテールの描き方が、ゾ映画のくせにやけにうまいんですよね。ニートのエドは輪を掛けてダメで、「ああ、このデブとっとと死ね」と悪態をついた観客は多いことでしょう。ゾンビに囲まれているのに、ケータイで喋っている場合じゃないだろ! 他にも空気の読めない老けたハリポタ・ディビッドなど、この映画は愛すべきボンクラがいっぱい出てきます。女性キャラが割としっかりしているのに、男は皆ダメなんだよね……。

 こんなダメ人間が、何故かパブに籠城してゾンビを防ぐという展開。アメリカ人はショッピングモールに立て籠もるけど、そこはさすがイギリス人! それにしてもパブって発想はないわ、別に食糧もないし狭いだろ! オマエ本当はギネス飲みたかっただけじゃないのかとツッコミましょう。

● ギャグが実に黒くて自虐的で、さすがイギリスだなとニヤニヤします。「ゾのわけねえよ、どうせジャンキーだろ? そのへんいっぱいいるし〜」とか。そもそもゾンビ映画とギャグを両立させるっていう目の付け所がシャープですから。じゃ、ゾンビ映画として緩いかというとそんなことはなく、生きたまま内臓を喰われたり、スリルもちゃんとあるんですよ!

 そしてオチが最高! 特典映像の「プロットの穴」も必見です。イギリス人のセンスに嫉妬しそう!

※本記事でゾ、と表記しているのは原典準拠です。

ショーン・オブ・ザ・デッドショーン・オブ・ザ・デッド
(2005/12/23)
サイモン・ペグ、ケイト・アシュフィールド 他

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