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2007.09/17 [Mon]
久住昌之・谷口ジロー『孤独のグルメ』
>拍手返答
安徳帝のが一番気になっています。
● washburnさんとクボタさんがオフ会でこれについて語り合い、盛り上がっていてからずっと気になっていた作品です。実家に帰省したら多分姉が買った文庫版があったので読了。
● この作品のよさは、一人暮らしをしていてかつ一人歩きをする人間でなければ、わからないかもしれないと思わせるものがあります。たとえば主人公と同じく、外を歩き回る機会の多い営業マンなど。おとなのグルメ、といってもよいかもしれません。男のグルメといえるかもしれません。
で、私もこれに該当しました。関西に来てからマニアックな史跡巡りばかりしていたり、映画は基本的に一人で見るため、一人メシの機会が同年代の女性と比して圧倒的に高いんですよね。
特に史跡巡りをしていて、気がつけば午後三時を回っていた時の、切実な思い。これはまったく井之頭五郎と同じものです。初めて訪れる土地で、できれば千円以内で、空腹を満たしなおかつハズレのないものを食べるにはどうすべきか?
「ここにしておくか、いや、いかにもデート向けの店で厭だな。ここのほろ酔いセットもいいが、今後歩くのにビールは危険かもしれない。それにあのおかずだけで空腹を満たすにはチト不安があるし、主食がない。しかし先ほど見た和菓子屋で団子をおやつに食べることを考慮に入れると、あの定食を平らげるのはあとあと響く。カツ丼もいい、しかし野菜が足りない。いや、コンビニで野菜ジュースを買って補えば肉料理でも悪くはない。寿司もいいが、ちらしにするか握りにするか? 予算からいけば上握りは除外……いっそここは、さっき見た回転寿司もいいが、距離を考えると……」
みたいな果てしない逡巡はつきることのない小宇宙と化すのです。なまじ同伴者がいないばかりに、失敗した時の失望感は己一人で受け止めねばならないという重圧感。
そういうことを思い出すと、本作は「あるあるある!」の連続です。食べているうちにどうでもよくなる、いきつけの店がなくなっていた、新幹線で弁当ににおいが気になる、コンビニ弁当選びの悩みもよくわかります。コンビニは最近使っていませんが、たとえば龍口春雨麻婆茄子味みたいなスマッシュヒットを当てたあの感覚。実に懐かしい。
あえて主人公との違いを探せば、私は酒がいける口である店と、性別ゆえに摂取カロリーが少ない点でしょう。井之頭五郎は健啖家です。すばらしい。
● こういう既視感を持って、にやにやしながら読める人とはそれだけで気が合いそうな気がするなあ。少なくとも「じゃ、ご飯どうします?」と言ってもめることはないだろうなと。『孤独のグルメ』はいいですねとうなずきあうというのは、たとえば「藤沢周平、いいですよねえ」というのと何か似ている気がします。この作品は、ある意味大人の踏み絵かもしれんね(まあただし、男性限定だろうなあ。とほほ)。
最後に蛇足。新世界の回はいかにもベタな大阪で、いくらなんでもあそこまで典型的な大阪体験はなかなかできないだろうなあと。でも確かに「コーヒ」っていうのはありますね。あと関東以北の人は「ヒレカツ」を「ヘレカツ」って書いてあるのにも驚くと思います。
安徳帝のが一番気になっています。
● washburnさんとクボタさんがオフ会でこれについて語り合い、盛り上がっていてからずっと気になっていた作品です。実家に帰省したら多分姉が買った文庫版があったので読了。
● この作品のよさは、一人暮らしをしていてかつ一人歩きをする人間でなければ、わからないかもしれないと思わせるものがあります。たとえば主人公と同じく、外を歩き回る機会の多い営業マンなど。おとなのグルメ、といってもよいかもしれません。男のグルメといえるかもしれません。
で、私もこれに該当しました。関西に来てからマニアックな史跡巡りばかりしていたり、映画は基本的に一人で見るため、一人メシの機会が同年代の女性と比して圧倒的に高いんですよね。
特に史跡巡りをしていて、気がつけば午後三時を回っていた時の、切実な思い。これはまったく井之頭五郎と同じものです。初めて訪れる土地で、できれば千円以内で、空腹を満たしなおかつハズレのないものを食べるにはどうすべきか?
「ここにしておくか、いや、いかにもデート向けの店で厭だな。ここのほろ酔いセットもいいが、今後歩くのにビールは危険かもしれない。それにあのおかずだけで空腹を満たすにはチト不安があるし、主食がない。しかし先ほど見た和菓子屋で団子をおやつに食べることを考慮に入れると、あの定食を平らげるのはあとあと響く。カツ丼もいい、しかし野菜が足りない。いや、コンビニで野菜ジュースを買って補えば肉料理でも悪くはない。寿司もいいが、ちらしにするか握りにするか? 予算からいけば上握りは除外……いっそここは、さっき見た回転寿司もいいが、距離を考えると……」
みたいな果てしない逡巡はつきることのない小宇宙と化すのです。なまじ同伴者がいないばかりに、失敗した時の失望感は己一人で受け止めねばならないという重圧感。
そういうことを思い出すと、本作は「あるあるある!」の連続です。食べているうちにどうでもよくなる、いきつけの店がなくなっていた、新幹線で弁当ににおいが気になる、コンビニ弁当選びの悩みもよくわかります。コンビニは最近使っていませんが、たとえば龍口春雨麻婆茄子味みたいなスマッシュヒットを当てたあの感覚。実に懐かしい。
あえて主人公との違いを探せば、私は酒がいける口である店と、性別ゆえに摂取カロリーが少ない点でしょう。井之頭五郎は健啖家です。すばらしい。
● こういう既視感を持って、にやにやしながら読める人とはそれだけで気が合いそうな気がするなあ。少なくとも「じゃ、ご飯どうします?」と言ってもめることはないだろうなと。『孤独のグルメ』はいいですねとうなずきあうというのは、たとえば「藤沢周平、いいですよねえ」というのと何か似ている気がします。この作品は、ある意味大人の踏み絵かもしれんね(まあただし、男性限定だろうなあ。とほほ)。
最後に蛇足。新世界の回はいかにもベタな大阪で、いくらなんでもあそこまで典型的な大阪体験はなかなかできないだろうなあと。でも確かに「コーヒ」っていうのはありますね。あと関東以北の人は「ヒレカツ」を「ヘレカツ」って書いてあるのにも驚くと思います。
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龍口の麻婆茄子って、なかなか最近見かけないと思ったらレギュラーから格下げされたんですよね。ショックです。京麺シリーズも見かけないし!
コンビニの回は身につまされました。
いい加減食べ過ぎです。しかも深夜だとあんなにいろいろなかったりするんですけど、そこはまあフィクションということで。
「散歩もの」も気になってきました!