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2007.01/31 [Wed]
ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』
● 映画予告編がおもしろそうだったので読んでみました。わはは、こやつめ!
一言で語るならば、「ベルばらだと思って読んでみたらシグルイ」だった。そんなかんじ。
要するに天才だけど頭のねじが外れた主人公が、究極を求めて死に狂ふお話です。香水の材料であるフレッシュレモンとか蘇合香がしまいに「無明逆流れ」だの「秘剣流れ星」に読めてくる不思議。
● 主人公のテキパキと手際のよい狂気は、あまりに理路整然としているので恐怖は感じません。サバンナでシマウマを食うライオンにビデオを見るとき、サバンナ目線で見ていると残酷ですがライオン目線だと爽快感がある。本書はまさにそれで、筆者は「こんな変態がいましたよ」と突き放しているのですが、同時に「よぉぉーしそこだ、次の娘いこうぜ!」みたいな気分にさせる悪魔的な書き方をしているのですね。
● 『シグルイ』の魅力がナレーションにあるのは皆さんご存じかと思いますが、そんな狂気の世界を盛り上げるのが独特の文体です。テンションが低いとみせかけて、巧みに読者を変な方向に導くいやなたくましさがあります。これは翻訳者の力量も大きく、カタカナ語と和訳の使い方がとても巧みです。正直、これをまんま映像化しても厳しいかなと思わせるのは、嗅覚という部分ではなくこの文体ですね。「うどん玉の如く」がない『シグルイ』なんてつまらないじゃないですか。
● あと主人公の描き方はイロイコの『変人偏屈列伝』的。吉良良影にも似ているかな。こんな変態的な作品はなかなか巡り会えないので、残り香をじっくり咀嚼し愛でたいものです。わはは、わははは!
● 蛇足ついでに映画版ですが、前述の通りまんま映画化してもあまり面白くないと思うわけです。なのでどの程度改変してあるか、評判をみてからでも確認したいところ。とりあえずカシモドもどきの主人公は野性的ハンサムになっているようですな。
願わくば原作の変態風味をそのまま残し、耽美な雰囲気につられて見に行ったカップルを地獄に突き落とし、そのままデートを中断させてしまうような仕上がりになっていることを期待します。
映画公式
一言で語るならば、「ベルばらだと思って読んでみたらシグルイ」だった。そんなかんじ。
要するに天才だけど頭のねじが外れた主人公が、究極を求めて死に狂ふお話です。香水の材料であるフレッシュレモンとか蘇合香がしまいに「無明逆流れ」だの「秘剣流れ星」に読めてくる不思議。
● 主人公のテキパキと手際のよい狂気は、あまりに理路整然としているので恐怖は感じません。サバンナでシマウマを食うライオンにビデオを見るとき、サバンナ目線で見ていると残酷ですがライオン目線だと爽快感がある。本書はまさにそれで、筆者は「こんな変態がいましたよ」と突き放しているのですが、同時に「よぉぉーしそこだ、次の娘いこうぜ!」みたいな気分にさせる悪魔的な書き方をしているのですね。
● 『シグルイ』の魅力がナレーションにあるのは皆さんご存じかと思いますが、そんな狂気の世界を盛り上げるのが独特の文体です。テンションが低いとみせかけて、巧みに読者を変な方向に導くいやなたくましさがあります。これは翻訳者の力量も大きく、カタカナ語と和訳の使い方がとても巧みです。正直、これをまんま映像化しても厳しいかなと思わせるのは、嗅覚という部分ではなくこの文体ですね。「うどん玉の如く」がない『シグルイ』なんてつまらないじゃないですか。
● あと主人公の描き方はイロイコの『変人偏屈列伝』的。吉良良影にも似ているかな。こんな変態的な作品はなかなか巡り会えないので、残り香をじっくり咀嚼し愛でたいものです。わはは、わははは!
● 蛇足ついでに映画版ですが、前述の通りまんま映画化してもあまり面白くないと思うわけです。なのでどの程度改変してあるか、評判をみてからでも確認したいところ。とりあえずカシモドもどきの主人公は野性的ハンサムになっているようですな。
願わくば原作の変態風味をそのまま残し、耽美な雰囲気につられて見に行ったカップルを地獄に突き落とし、そのままデートを中断させてしまうような仕上がりになっていることを期待します。
映画公式
![]() | 香水―ある人殺しの物語 パトリック ジュースキント (2003/06) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |



「お殿様からかたみに蒲団もらってハァハァ(=衆道)」
とか
「町人にナメられたらあかんから、喧嘩になったらこっちが悪くても確実にぶちのめせ」
とか
ヤクザな論理も含まれていたりですが、『シグルイ』はそういう汚い部分も漫画にしちゃっているのがエライと思います。
次は是非「ぬふぅ」「種ぇ」「いくぅ」で検索をかけてみてください。
『変人偏屈列伝』というか、この作品はアラーキーが漫画化すべきというか。
「グルヌイユの夢は香水師になることだったッ!」
とかそういう絵が脳内に満ちて困ります。