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新版Kizurizm: 古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』

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古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』

● Amazonだと案の定この小説はツマランとけなすレビューがあり、直木賞選考では老害の象徴・渡辺淳一がケチョンパチョンに評価したとか。納得のいくことです。むしろこんなものが万人に評価されるような愉快な世界になっちゃダメだ。だからこそ世界はつまらない、永遠に退屈だ。でも直木賞候補になっただけでも文壇は棄てたもんじゃないのかも。

 この小説は実に荒削りなようでよくできていて、もしこれが新人の作品として下読みに持ち込まれたら三行で没か絶賛かの二択しかないようなパワーがあります。って、ちゃんとしたプロに向かって失礼なことを書いてごめんなさい。

● どういう小説かはもうイン殺さんのレビューを読めばことたりると思います。かの人がおおよそは語っている以上、私が蛇足をゴタゴタ付け加える必要はありません。もう無茶苦茶なんですけど、この作者の場合は狙っているのか天然なのかわからないところが一番のカオスな気がします。筒井康隆は狙った狂気。松本光司(漫画化ですが)は天然の狂気。そういう意味でこの作品を荒山徹や山口貴由と比すことはごくごく自然でしょう。こういう掘り起こしたばかりで湯気を立てている狂気に出会うと、なぜ私は走りたくなるのか。私ももしや狂っているのか……みたいなへんな〆で感想おしまい。

ベルカ、吠えないのか? ベルカ、吠えないのか?
古川 日出男 (2005/04/22)
文藝春秋
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