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新版Kizurizm: 読書記録

新版Kizurizm

Category [ 読書記録 ] 記事一覧

J・ブッチャー『狂った月』ドレスデンファイル2

>はくす ぬこー! これはだまされるぞー!!!● 一作目に比べてぐっとおもしろくなった、シカゴの魔法使いドレスデンシリーズ。今回は狼男をテーマにしています。これがいい! 一作目は人物顔見せであり、イマイチ地味な印象です。しかし本作はリアルゴッサム・シカゴを狼男どもが闊歩して戦いまくるど派手な展開! これはアツイ。この狼男がウェアウルフ、ヘクセンヴォルフ、ライカンスロープ、ルー・ガルーと実に数種類もい...

誉田哲也『武士道シックスティーン』

● 某氏から磯山香織と私が似ているということを聞き、手を出しました。 うん、おもしろい。 でも香織と自分は似ているのかと自問自答し続けていたらとっても恥ずかしい気分に。はじかちー。てか香織ちゃんは十六なのにおまえはっ! いやいくらなんでもこんなんじゃ……とか。確かに香織とは細かい部分では似ていないんだけど、本質としては自分と同じ(正確には高校時代から三年くらい前の)なので、いろいろ反省しましたね。確...

J・ブッチャー『魔を呼ぶ嵐』ドレスデンファイル1

● アニタ・ブレイクやレイチェル・モーガンシリーズに似たかんじ。一人称語りなのも同じ。現在のアメリカを舞台にした魔法使いドレスデンの活躍物語です。 小道具に魔法が出てくる以外は探偵ものの体裁。主人公ドレスデンはハードボイルドがやや入った青年です。しかしアニタ、レイチェルと比較すると若干落ちる脇役でおもしろいキャラクターがちょっと弱い(そもそも頭蓋骨だったりするし)。二作目もあるのでそちらを読んでか...

山本淳子『源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり』

● 文学とその作者の生きた時代は関係あるのか? むろんあるでしょう。同じ題材をあつかっても、時代から作者が受けるさまざまなインスピレーションにより、文学は変貌します。 『源氏物語』と『枕草子』が生まれた時代はどうだったのかを丁寧に描いたのが本書。いやあ、読んでよかった。今までとらえてきた二作品、そして作者の横顔がずいぶん違って見えてきました。 その時代とは一条天皇の御代のこと。ふたりの才女だけでは...

戦国系読書 0809

● 谷口克広『目からウロコの戦国時代―史料から読み解く武将たちの真相』。これはチープなタイトルが損していると思うなあ。真説に基づいて通説を吟味しつつ、罵倒やちくちくしたS氏的な言い回しのない良書。誰しも納得、贔屓や感情論がないところもグーです。目からウロコの戦国時代―史料から読み解く武将たちの真相 (PHP文庫)(2003/09)谷口 克広商品詳細を見る● 舘鼻誠『戦国争乱を生きる―大名・村、そして女たち』。これもいい...

河添房江『光源氏が愛した王朝ブランド品』・『源氏物語と東アジア世界』

● 今も昔もセレブライフには珍しい品が欠かせないよう。俗物と言われようとも、珍しいものに囲まれて生きていくのは何だかんだで楽しいもの。 本書は『源氏』中心に王朝ブランドライフを考察した一冊です。 もし王朝にスイーツ(笑)があったらこんなかんじ?黒貂の毛皮でゴージャスアピール(笑)セレブに大人気の秘色青磁でワンランク上の貴族をめざそう(笑)今一番おしゃれなモテカワ系唐物特集(笑)キラカワガラスの器で...

古典系読書 080923

● 中村真一郎『源氏物語の世界』。このひとの書くことは面白い。『ビジュアル版』伊勢と同じ方でした。 鈴木裕子『源氏物語をから読み解く』。 林望『本当はとてもえっちな古典文学』。 さすがに一日三冊読むと、ちょっと賢くなった気がする。 小説は神々の時代以来の、人間生活の現実を写したものだ。それに比べれば『日本紀』のような史書などは、人生のある一面を描いたものに過ぎない。小説の方にこそ、人間性の精緻な姿...

中野京子『恋に死す』

● 女の恋愛特化版『人間臨終図巻』をめざしたという一冊。十四歳から六十六歳まで、恋に生きた女をとりあげています。十代でも不義の子をなす娘もいれば、四十過ぎた純愛もあり。なかなかおもしろいのです。 それにしてもおとぎ話は恋が実ってハッピーエンドとなりますが、恋が実らなかった結果、才能を発揮して歴史に名を残した女もいる(キュリー夫人、ジェンティレスキ)。恋が実ったばかりに首をはねられたアン・ブーリンも...

K・ハリソン『死せる魔女がゆく』上下

● 60年代にウイルス感染で人口が激減した異世界現代アメリカが舞台のファンタジーです。アメリカでは「ホローズ」シリーズとして既に人気爆発だとか。納得のおもしろさです。 アニタ・ブレイクシリーズや『サンシャイン&ヴァンパイア』に近い世界観。女性作家のファンタジーは、特に吸血鬼が出てくるとロマンス重視で世界観やバトルは気合いが入っていなかったりしますが、これは別。世界観およびバトルの描きこみがちゃんとし...

吉田とよ子『色は匂へど―『源氏物語』と中国の情艶文学』

● 日中文学比較論。『源氏』の登場人物と中国小説のヒロイン比較が前半。桐壷更衣と李夫人(漢武帝室)、藤壷と趙姫(始皇帝母)、夕顔と狐の美女、六条御息所と幽霊美女、明石の御方と竜王の娘などなど。 全体的にこうして並べると、色彩的なイメージで中国のほうが原色に近いビビッドカラー、日本はふんわりとした中間色かな。  藤壷とあの趙姫ってどういうことじゃ、と思う方も多いのですが不倫つながりです。結論としては...

S・ハンター『四十七人目の男』上下

● 深町先生のこの記事を読みいてもたってもいられず、借りました。 戦国時代にやってきた宣教師も、幕末に来日した外国人も、そして『四十七人目の男』を書いてしまったスティーヴン・ハンターも、日本人に驚きました。宣教師「いたるところで男色が! 女性は純潔を重んじない! なんということだ」「しかし武士というのはすごいなあ」幕末の外国人「屏風へだてただけで男女が寝る遊郭といい、なんて奴らなんだ」「しかし武士...

キャシー・ラブ『あなたの牙に首ったけ』

● ……生まれて初めて読んだハーレクインってやつですか。吸血鬼+ロマンスでどんなもんかと思ったら。 こっぱずかしい。これにつきます。女の妄想全開の世界ってこういうもんかと。アン・ライスの眠り姫はばっちり変態でSM的だったのでギャハハハ笑えたのですが、これはもう読んでいていろんな意味で赤面必至といえばいいのか。でも投げ出さずにラストまで読み切った自分は成長したかもしれません。 あらすじを書こうと思うんだ...

J・ケッチャム『閉店時間』

● ちょうど911の日に読了。ケッチャム日本初の中篇集。「閉店時間」 911後のニューヨーク。苦い恋の結末を迎えたバーテンダー・クレアは胸の痛みを隠しながら働く。そんな中、飲食店を狙った連続武装強盗事件が起こっていた。 クレアの悲恋としっとりとした心理描写がケッチャムらしくないと驚くかも? ニューヨークの喪失感を失恋にたくしたかのような繊細な描写です。でもケッチャムって実は心理描写ちゃんと書き込む人なん...

古川日出男『サウンドトラック』上下

● 読む順番を間違えたといいますか、同じ近未来破滅型では『東京デッドクルージング』のほうが好きだなあ……というかんじです。サウンドトラック〈上〉 (集英社文庫)(2006/09)古川 日出男商品詳細を見るサウンドトラック〈下〉 (集英社文庫)(2006/09)古川 日出男商品詳細を見る...

木村朗子『恋する物語のホモセクシュアリティ―宮廷社会と権力』・西村和子『季語で読む源氏物語』

● 木村朗子『恋する物語のホモセクシュアリティ―宮廷社会と権力』。学術書なのでちょっとむずかしかったな。恋する物語のホモセクシュアリティ―宮廷社会と権力(2008/03)木村 朗子商品詳細を見る● 西村和子『季語で読む源氏物語』。 タイトルそのまんまです。こうして物語通りではなく、季節ごとに抜き出すと新たな発見があって、いいなあ、日本に生まれてよかったなあとしみじみします。ああっ、ほんとうに大塚ひかり訳『源氏物...

安藤健二『封印作品の謎』・『封印作品の闇』

● これは面白かった。 1と2で意図したのかしないのか、かなり事情に違いがあるのも興味深い点です。1は主に差別助長や抗議のために封印された作品についてです。『ウルトラセブン』、『怪奇大作戦』、映画『ノストラダムスの大予言』、『ブラックジャック』、そしてこれだけちょっと浮いている『O157予防ゲーム』です。 ゲームはのぞき、それぞれ制作者側が挑発的かつ意欲的な意図をもって取り組んだのに、抗議で撤回されるのは...

光田和伸『恋の隠し方 兼好と「徒然草」』

● 朝鮮出兵時、名護屋陣にて。「ハァ……敗戦の罪で大友宗麟は改易だって。もう嫌だ! 頭でもそって出家して、山奥にでも逃れて命の限りに生き延びたいよね!」「じゃあそうすれば? はいかみそり」「……ちょっと、そんなの無理に決まってるだろ」「なに? そんなうだうだ言うなら、豊臣に徹底的に逆らって羽柴侍従になんかならなきゃよかったじゃん」「ううッ……ともかくここは水がまずいんだよねえ、塩辛いし。あーっ、最上の水...

J・K・ローリング『ハリー・ポッターと死の秘宝』

● いよいよ完結編です。まず気になった短所から。・ハリーたちが17歳ぽくないなあ。なんか5巻あたりから中高生らしさが出ていない気がします。行動を追うのに精一杯なのかもしれないけれども。かわいげみたいなのも感じられないんだよなあ……ちなみに空条承太郎や剣桃太郎と同年代と考えると混乱しちゃうんだな……・相変わらず死喰い人が弱いのですが、あまりに強いとハリーたちが詰むので仕方ないと気付きました。たぶんこの世界で...

G・ルッカ『天使は容赦なく殺す』

● 表紙絵が広江礼威。これが実にうまい。 主人公のタラ・チェイス31歳、イギリス人、女、職業はSIS主席特務官=女王陛下の暗殺者。酒と煙草をたしなみ、料理は苦手で子供は嫌い、性生活は自虐的、そして標的は容赦なくしとめる。レヴィやバラライカ並に危ない姐御です。彼女らみたいな女主人公を求めて本書を手にしたならば、大当たりです。 しかしこれはおもしろい。中盤以降の展開は絶体絶命という状況を軽く凌駕しており、唖...

大泉光一『捏造された慶長遣欧使節記』

● これはまるでダ・ヴィンチコードだ! いや、その百倍はおもしろいかも? 前のエントリでとりあげたを含めた大泉氏の著書に加えられた批判に対するカウンターパンチです。 学会の争いなので、正直にいって素人にはなかなか難解な部分もあります。ただし、彼の憤怒と細かい反論は伝わってきます。「私に対する批判があったことは知っている、反論しなかったのはあまりにレベルが低いからだ。これで終わりにしよう」 との趣旨...

A・ライス『眠り姫』三部作

● アン・ライスの官能童話三部作。一応さわりだけ『眠れる森の美女』をなぞっています。 官能というか、まあそのなんですか、SMです。全裸の美男美女が城・村・異国の宮廷で快楽奴隷としてご奉仕って……これ何て雪地獄? パドルという木しゃくしのようなもので叩くのがポイント。鞭じゃないんですね(鞭も出てくるけど)。 先生はもろ趣味に走っていて、姫に対してそれぞれ別々の王子が自らの「奴隷体験」(=やおいパート)を...

大泉光一『支倉常長慶長遣欧使節の真相 肖像画に秘められた実像』・『メキシコの大地に消えた侍たち』

● 支倉常長と慶長遣欧使節について考察を加えた興味深い一冊。と同時に、伊達家捏造の構図にメスを入れた本でもあります。 では本書よりまとめ。・宣教師ソテロの口車にのせられた政宗、派遣を決定。罪人の子・支倉常長を選んだのは「どのみち死んだようなもの、生きようが死のうがどうでもいい」から・この当時は幕府は諸藩に普請など経済負担を敢えてかけており、財政的余裕はどこにもなかった。だけど政宗はこの可能性の低い...

中村真一郎『ビジュアル版 日本の古典に親しむ 伊勢物語』

>はくす 正木坂道場の方々は気さくでとてもかっこよかったです!● 諸事情から『源氏』と『伊勢』はさらりとお勉強しよう……と思い調べています。『源氏』は大塚ひかりさんの評論を読んでいたおかげでつかみはオッケーかな(秋に大塚版源氏が出るらしいので期待)。 本書は「この物語は成立過程において加筆訂正が加わっています」という前提で、その内容を読み解いて当時の価値観の変遷をもフォローしているのが興味深い構成にな...

深町秋生『東京デッドクルージング』

● 近所の書店二軒目でゲット! 詳しい内容はご本人のブログをどうぞ(しかし本人のコメントがこうしてリアルタイムで読めるなんて、ネットっていいな)。東京デッドクルージング - 深町秋生の新人日記 ルール無用の残虐ファイト! 近未来の東京を舞台にした銃撃三国志! 日中朝、三カ国の狂犬どもが殺し合うノワール! ってなところでしょうか(へんなキャッチ勝手につけてスイマセン)。 銃撃戦、爆破、銃撃戦……という暴力...

山本博文『男の嫉妬』・『江戸のお白州』

はくす。 モンゴルの血統は、伝承的な部分もあるでしょう。てか『アダムの呪い』という本によれば、チンギス血統は本当に凄まじい勢いで拡散していることがDNA測定で判明していますし、さほど珍しくもないかも。やはり商人や敵国の評価が大きいのでは。● 嫉妬という文字には女がふたつも入っています。嫉妬といえば女の特権、歴史上の嫉妬といえば北政所VS淀殿、大奥のドロドロ……なんてイメージでしょうか。しかし嫉妬は男にもあ...

J・スキップ&C・スペクター『けだもの』

はくす。黒社会……まさしくそんなことばがうわなにをするやmっwrw● スプラッタパンク。80年代頃に流行したホラー小説のジャンル。セックス&バイオレンスの過激な描写がうり。有名どころだと確かソーニャ・ブルーシリーズ。同じ作者の『闇の果ての光』、ガートンの『ライブガールズ』もこのジャンル。映画でたとえるならば『フロム・タスク・ティル・ドーン』あたりかな。 これは『ライブガールズ』にも通じるけど、人狼を扱...

土屋英明『道教の房中術』

● 本書の感想じゃなくてアレですが……「中国の春画発掘にフーリック先生と日本人が関わっている件について」。 中国にも無論春画はありましたが、明代あたりがピークでやたらお堅い清朝の統治や、社会主義統治の結果、存在自体がよくわからないことになっていました。 そんなとき、フーリック先生のディー判事シリーズを日本で出すことになりまして。出版社は先生に頼みました。「先生、ちょっとこう色っぽい裸体画とか描けませ...

戦国系読書 0807だよ

● 笹本正治『戦国大名と職人』。戦国大名と職人 (中世史研究選書)(1988/06)笹本 正治商品詳細を見る● 谷口克広『信長の天下布武への道』。信長の天下布武への道 (戦争の日本史)(2006/12)谷口 克広商品詳細を見る● 奈良本辰也『戦国武将ものしり事典』。ネタと古くさい情報で構成。戦国武将ものしり事典(2000/01)奈良本 辰也商品詳細を見る● 笹本正治『戦国大名の日常生活』。あんまり日常について書いていないような……武田家三...

アネット・カーティス・クラウス『銀のキス』

● ジュブナイルの吸血鬼もの。最初は主人公がウジウジしていておもしろくなかったけど、中盤以降はなかなか面白い! これを中学生くらいで読んだらハマっただろうなあ。ロマンスあり、アクションありで映画にしたら面白そう。 が、ひとつ不満が。装丁画が気持ち悪い。イメージ崩れることこのうえない。ソーニャ・ブルーも英語版と日本語版を比べると、圧倒的に日本の勝ちだったけど。もし文庫化するなら、山本タカト、小林智美...

T・パワーズ『石の夢』

● 一般的な吸血鬼よりさらに古いラミア一族に、不運な医者と、ディオダディ荘の怪奇談義に集った詩人たちが立ち向かう伝奇ホラーです。 怪奇談義あとの彼らの辿る悲惨な運命(参照)はラミアのせいだったんだよ! というネタを仕込んであります。まあ日本人にはなじみが浅いかもしれない。だから作品の出来としてはそんへん考えないと。 しかしどうしてもバイロンと吸血鬼ネタでかぶる『真紅の呪縛』のほうが好きなので、読み...

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筆者近況

Author:吉梨(きつり)
『おねがいマイメロディ きららっ』がいいかんじに発狂してきました。ほんとうに教育的に有害なアニメです!

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